睡眠と自律神経失調症との関係
自律神経とは、自分の意思で動かすことができる神経とは異なる神経です。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つの神経系をまとめて呼ぶ言葉であり、交感神経と副交感神経は互いにほぼ逆の働きをします。
交感神経には、血圧を上げる、脳にいく血液を増やす、胃などの内臓にいく血液を減らす、心拍数を上げる、眠気を覚ます、瞳孔を開く、血糖値をあげる、といった役割があります。
逆に、副交感神経は血圧を下がる、脳にいく血液を減らして胃などに行く血液を増やす、眠くなる、といった役割を果たします。
この2つのバランスをとることで身体のいろいろな機能がうまく調整されています。
このバランスが崩れてしまうのが、自律神経失調症です。
そして、睡眠を調節しているのはこの自律神経です。
睡眠は自律神経によって調節されているため、「眠ろう」と思っただけでは眠れないのです。
自律神経失調症の状態では、当然睡眠にも支障をきたします。
崩れるのはバランスですから、交感神経・副交感神経のどちらかが強くなりすぎたり、弱くなりすぎたり、あるいは状況にあわせてうまく働かなくなってしまい、睡眠に問題を抱える原因となります。
自律神経失調症には、様々な原因と症状があります。そしてそれに応じて治療法も変ります。
たとえば、血圧が下がり易い人の場合、交感神経を活発にしてやることが良いこともあれば、逆に副交感神経を弱めることで、症状が良くなることもあります。
また、この症状はバランスの乱れが原因なので、バランスがうまく取れにくい人の場合、たとえば高血圧と低血圧というまったく逆の症状が、時間や日にちによって変わって出ることもありえます。
自律神経失調症は体質的な部分が多いのですが、これだけで生命の危機になるようなものではありませんので、原因と症状、そして対処法を良く学べば、うまく付き合っていけるようになります。