寝床は硬いもの?
フカフカの敷布団に、フワフワの掛け布団。
気持ち良く寝るためには寝る環境も重要で、薄っぺらい煎餅布団にヨレヨレの毛布、では寝た気がしないと感じる人もいるでしょう。
日本の寝具の歴史は古く、古事記の時代にまで遡ります。
古事記には、「畳を敷いて寝る」という表現が用いられており、当時の「畳」は今の畳とは違い、ゴザやムシロのようなものだったと考えられます。
進んで平安時代、栄華を極めた貴族達の寝具というと、柔らかい絹の布団などを想像するのではないでしょうか?
ところが平安貴族は、畳や板の上にじかに寝ていたようで、掛け布団というものも存在せず、着物をそのまま身体に掛けて寝たそうです。
柔らかい絹の布団どころか、かなり固い寝床だったと言えます。
今、一般に使われる綿の入った布団が出来たのはずっと後の江戸時代とされます。
ただし、綿は非常に高級で庶民が手に出来る代物ではなかったようです。
江戸時代、寝具の発展に寄与したのは遊廓と言われ、遊女の「格」についてその差を表すものが「敷布団」だったようで、その枚数が多いほど格が高かったようです。
花魁(おいらん)にプレゼントされたふとんは3枚で100両したとも言われています。
その後も、嫁入り道具の一つに高級な寝具を持たせたように、つい数十年前まで布団は高価で特別な物だったのです。
比較的求めやすい価格で、質の良い寝具が手に入る現代に生まれた私達は幸せかもしれません。
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