寝ぼけは病気?

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寝ぼけというと、どことなくコミカルな印象がありますが、慢性・重症になると怪我の原因になったり、また夜勤の勤務中に同僚に迷惑を掛け職場で問題視される、といったケースもあります。こういった問題に対しては、治療や予防的な対策が必要です。

 

覚醒障害

主な睡眠時髄半症

状態

症状

覚醒―睡眠移行期の障害

睡眠時びくつき、律動性運動障害、入眠時幻覚

ノンレム期の障害

錯乱性覚醒、夜驚、夢中遊行、夜間発作性ジアニスト

レム睡眠期の障害

悪夢、レム睡眠行動障害、睡眠麻痺

浅睡眠期の障害

寝言、歯ぎしり、睡眠時パニック発作

びまん性に起こりうる障害

夜尿、夜間こむら返り

 

これらは主に小児期に多い障害で、ほとんどが成長するにつれて消失しますが、まれに小児期から長年にわたって残存したり、成人になってから発症することがあります。

とりわけノンレム期の障害は、遺伝的な要因が大きいことが確実視されています。
予防的な対策としては規則正しい生活習慣を守り寝不足をさけること、原因になりそうな薬剤・アルコールの使用をやめることが重要です。
異常行動出現時に静止したり強制的に覚醒させようとすると、不機嫌かつ暴力的になるので避けてください。寝室内の危険物を除いて、怪我の防止に努める、やさしく誘導して部屋に戻すことなどを心がけてください。
問題行動が続く場合は薬物療法が適応となります。

<夜間睡眠中の食行動の問題>
入眠後特徴的に食行動を呈するのが夜間摂食症候群と、睡眠関連食行動障害です。どちらも若年層に多い障害です。

夜間摂食症候群は、入眠障害はないのに夜間覚醒しやすく、その後の摂食もしくは飲水しなければ再び眠ることができなくなるものです。このような症状は一般的な過食傾向の患者にもみられますが、夜間摂食症候群の患者は日中に食行動に異常をきたしてはいません。この患者は、体重増加ならびに浅眠傾向、睡眠維持障害に悩んでいることが多いです。
こういった病態は交代勤務者に多く、生活習慣、生体リズムの影響が関与している可能性が高いです。

睡眠関連食行動障害は、夜間覚醒時に十分に意識が冷め切れない間に食物を摂取し、その間の記憶は完全、もしくは部分的に欠落しています。心理的なストレス、禁煙が契機となることもありますし、睡眠時無呼吸に合併することもあります。

<レム睡眠時の異常行動>
一般的にレム睡眠時には前進の筋力が抑制され、この現象は生理現象として多くの人が経験する睡眠麻痺(金縛り)につながります。しかし、レム睡眠時に筋活動が抑制されなくなると、このために夢体験に伴って異常な行動を生じるレム睡眠障害に移行しやすくなります。

他の睡眠障害が小児期に多いのとは対照的に、レム睡眠障害は高齢者の男性に多く見られます。
患者は、夢で見る恐怖感・不快感に伴う衝動的な行動として立ち上がる、腕を振り回す、大声を上げるなどの行動をとり、転倒や怪我をし易くなります。
この症状は、心理的なストレスの水準が高いときや、アルコールが増悪因子になることが分かっています。また、パーキンソン病、びまん性レビー小体病など神経疾患で合併が多いことが特徴的です。

この症状の治療方法としては、アルコールを避け、薬の投与が有効です。



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