睡眠薬の効果
睡眠薬に対する誤解
睡眠薬には「依存性がある」といったイメージがもたれています。
依然よく使われていたバルビタール酸系の睡眠薬は依存性が強いことから、睡眠薬というと、麻薬のように、量がどんどん増えてしまう怖い薬だと思われています。しかし現在使われている薬には、依存性はほとんどありません。耐性と言って、長く飲んでいると、効果がやや弱くなることはありますが、どんどん量が増えてしまうことはありません。通常、効果が弱く感じられるようになった場合は、不眠症が悪化していることが多いです。つまり、不眠症がなおって睡眠薬を辞めようと思っても辞められない、といったことは起こりません。
適切に使用することによって、大変効果的な治療手段となります。
睡眠薬より、お酒の方が安全?
医師に処方されないと買えないような睡眠薬より、誰でもどこでも買えるお酒の方が安全だから、お酒で寝付きをよくした方がよいと考える人がいます。ですが、これは間違いです。
もちろんごく少量のアルコールは、気分をリラックスさせて寝付きをよくしますが、少しでも量が増えると、寝付きはよくなっても、その後の睡眠の質を悪化させることが知られています。
アルコール依存症で困る症状のひとつが不眠症なのです。
なので、一概に「お酒のほうが安全」とは言えないのです。
睡眠薬の正しい飲み方
現在多用されている睡眠薬はベンゾジアゼピン系、あるいは非ベンゾジアゼピン系薬剤です。
これらにも様々な種類がありますが、効果の持続時間により、長短時間型・短時間型・中間型・長時間型の4つに分類されます。
睡眠薬の量についても、不眠のタイプ、年齢などにより個別に処方され、経過を見ながら調整・変更をしていくので、医師の指示通りに服用することが大切です。
眠れる自信がついても、自分の判断でゆっくりと辞めないで、服用状況や不眠の症状を正直に話し、薬に対する不安や疑問があれば遠慮せず納得するまで医師に相談するようにしてください。
副作用
現在使用されている非ベンゾジアゼピン系薬剤は安全な薬ですが、軽減されたといっても、人によっては以下のような副作用が現れることがあります。
- 日中の眠気や疲労感(内服時間が悪いか、種類が悪いため生じることが多い)
- 筋肉の弛緩
- 短時間の記憶障害(大量服用、アルコールとの併用で多く見られる)
- 急にとめるとかえって眠れない