概日リズム睡眠障害

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私たちの身体は、日中の活動し、夜間には睡眠をとるようにプログラムされています。この睡眠時間帯を決定しているのが概日リズム(Circadian rhythm : サーカデイアンリズム)=体内時計です。
しかし、現代、とくに働いている人は夜間に活動する人が多く、昼夜不規則に活動する人など労働時間が変則的な人が増えているため、体内時計が正常に働かなかったり、たとえ働いても、それが自分の眠りたい時間と合わなかったりして、不都合な時間帯に眠気が襲ってくるようになります。
これが概日リズム睡眠障害です。

概日リズム睡眠障害には具体的に以下3つのものがあります。

 

睡眠相後退症候群

睡眠相後退症候群は、夜中に就寝する生活を送った結果、体内時計が後ろにずれ(遅くなり)、それが固定されてしまうことにより起こります。
望ましい時刻に入眠、覚醒することができず、慢性的に睡眠時間が遅れてしまう病気です。早く眠ろうと床についてもなかなか眠れず、明け方になってようやく眠ることができ、目覚めるのは昼ごろになってしまいます。
この病気は決して怠け者のせいではなく、目覚まし時計を何個もセットして、家族に起こしてもらってもなかなか起床できません。また、無理やり起床しても、午前中はひどい眠気や集中力の低下、倦怠感などにより社会生活に支障をきたします。ただし、こうした症状は午後になると全く消えてしまいます。

以下のような状態の持続が確認されれば、本症状が疑われます。

 

 

睡眠相後退症候群とは反対に、慢性的に睡眠時間が早くなってしまう睡眠相前進症候群があります。
ですが、この場合社会的に著しく問題になることは少ないです。

 

交代勤務睡眠障害

夜間勤務や交代勤務により、睡眠障害やめまいなどの自律神経症状、吐き気・下痢といった消火器症状が生じることを、交代勤務睡眠障害といいます。最近では、交代勤務者の約8割がこのような症状に悩まされています。
交代勤務睡眠障害により、勤務中の居眠り、仕事上のミス、全身への倦怠感、不眠、家族とのコミュニケーション欠如など、様々な弊害が生じます。
勤務パターンによって対処方法は異なりますが、一般に夜勤が2連続以内の場合は本体の生体リズムを維持するようにします。
また、「日勤→準夜勤→深夜勤」のように、1日が長くなるようローテーションすると、負担が少なくなります。

 

時差症候群(ジェット時差症候群)

時差症候群とはいわゆる「時差ぼけ」のことで、生体リズムを現地時刻に合わせようとする過程で不眠、日中の眠気、身体の不調などの症状が生じます。
時差は東行き、西行きによって異なり、東行きは日本を基準にすると、ハワイとかアメリカに行く方向、西行きはアジアやヨーロッパ方向です。西の方は時差ぼけが比較的軽いです。
これは、生体リズムを前進させるのか、あるいは後退させるのか、という違いによるもので、通常は生体リズムを後退させるほうが容易です。東行きは生体リズムを前進させるため、時差症状が強く出ると思われます。

これら睡眠障害の治療には、大きく分けて薬物療法と非薬物療法の2つがあります。
臨床的には、まず睡眠薬で不眠の症状をある程度軽くしてから、非薬物療法で薬剤を減量する、あるいは中止に持っていきます。もしくは、最初に簡単な非薬物療法を行って薬物療法の効果を挙げることも出来ます。



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